再読。全部読む気にはならなかった。
長い割に具体性のない男性の独白は、
実に退屈としか。
初めて読んだ高校時代の自分でも、
かなり根気が要ったはずである。
テーマとストーリーは確かに面白い。
凝った感じがする小道具もいい。
でも、合成の顔面を製作する前半と、主人公の
なりすましがすべてバレていたことを
知らされるあたりを読むと、それ以外は
どうでも良くなった。
もとより、顔以外(身長とか声色とか色々)はあまり変わって
いないのだから、顔だけを変えたところで
近親者を騙せるはずもない。
もう少しケチをつけてもいいが、めんどくさいからやめる。
安部公房(純文、長編小説と戯曲)
と星新一(SF、短篇小説と時代小説)の過敏な関係は
伝記を読んだ当初さっぱり理解できなかった。
が、この長編(1964年9月刊,当時40歳)と
星新一の「夢魔の標的」(1964年12月刊,当時38歳)を比較すると、
なんとなくわかった気がした。
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