トップ «前の日記(2013-03-16(Sat)) 最新 次の日記(2013-03-29(Fri))» 編集

ずくぶろく


2013-03-28(Thu) ちょっと暖かい。

[その他] 深夜の客

一日が終わり、布団に潜り込んで眠気が出始めたころ、床 を軽く叩くような足音が聞こえた。
襖の向こうに雄猫が一匹いた。

しばらく放っておいたが、いつまでも部屋の中を歩き回ってる様子 だったので、こちらもすぐには眠らないこととする。

猫はトラ縞で、太い黒っぽい尻尾に白いひげをしていた。
時々鳴いては、部屋中を緩慢に歩き回ったり座り込んだりするだけ。
時々ベランダに出ては、しばらく歩いてまた部屋に上がってくる。
牛乳やソーセージを出してやったが どちらも匂いを嗅いだだけで、食べようとしなかった。
頭に触れても避けたり噛んだり引っ掻いたりしなかったが、耳元や喉を撫でても 特に喜ぶ気配なし。膝にあげてやっても、じきに抜け出てしまった。
側を通るときに、体や尻尾をこすりつけることもなかった。

侵入、もとい進入経路は確認してないが、開いてたのはベランダだけだ。
両隣のうち、猫が通れそうな隙間は、片方しかない。
そちらか、あるいはその更に先(で行き止まり)の家に住んでいたと思われた。

やがて、この家も気に入らなくなったのか、ベランダの仕切りを越えて反対側 の隣家に行こうと、頭を突っ込んだり引っ掻いたり し始めた。とはいえ、仕切りの向こう側に柵があり、この猫にはくぐれそうに ない。付言すれば犬を飼ってるはずである。
元来たらしい道に引き返そうともしなかった。

玄関のドアを開けてやると、一度出てまた入ってきた。
しばらく経ってから、もう一度開けてやると、また出た。
今度は戻ろうとしなかった。
元来たはずの家とは逆の方向に、ゆっくりと廊下を去って行った。


リンクはご自由にどうぞ。でもURLや内容が変った場合はあしからず。

index.htmlは ここから。