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ずくぶろく


2022-10-29(Sat) 脱線。おなかへった。

[グッズ] TS式65mm屈折赤道儀D型余談

いや、D型の話は実に熱い。寝食を忘れそうだ。

サードパーティに赤道儀のオーバーホールについて 聞いてみた。見積もりは税込み33,000円(送料別)とのことであった。

D型一式の、発売当初のお値段は 58,000円+送料2,400円であったらしいが、 時によっては 108,000円という情報もあった。
自分が確認した広告(一度値上がりしていた)の最後(天ガ1981年12月)には、149,500円 (送料別途のはず)とあった。一覧表に型番と値段が載っていただけであった。

確認すると、自分が「天ガ」を買い始めた1980年半ばの時点で、D型は「天ガ」の 広告には「ごくまれに」出てくるだけになっていた(V-1、P-2が常連)。
既に入門機V-1、ポータブル3枚玉のP2に押し流されてしまった観がある。
しかもその後、タカハシの屈折はフローライトF8シリーズに切り替わっている。
65mmのラインナップはFC-65+P-2/Skyキャンサー赤道儀になり、 そして下位機種のFC-50(卓上経緯台一式、今となってはとても魅力的だ) も出てきたから、D型は広告から消えるのと前後して(あるいは、もっと ずっと前に)生産も 打ち切られたのではないだろうか。

1981年の総合カタログにもD型は載っていた。これには フローライト90mmが載ってないが。

それでも1970年の発売以降、10年くらい売り続けていたわけだ(事実上「在庫限り」 の時期がどのくらい長かったのか気になるが)。
フローライト以前の、セミアポを称した3枚玉でF15.3の長焦点(木箱つき)、 頑丈な名無しの専用赤道儀(鏡筒バンドは交換できない)、 それに長い伸縮式木製三脚。
一時代前の高級小口径屈折赤道儀。オーソドックスの恐竜、 といったところか。
末期に買った人は、FC-65を待てなかったこと、P-2を選ばなかったこと V-1でも十分だったこと等々を後悔したかもしれない。

1977年のカタログには、「システム改造型赤道儀付」なる望遠鏡セットが載っていた。
それ以降鏡筒バンドが変えられるようになったのかもしれない。

フローライトでない80mmアポ/セミアポとか、それを乗せた、 ウェイトシャフトがネジになった赤道儀(たぶん、タカハシでは唯一)とか も追っかけると面白そうだ。

100mm反射赤道儀1型だかI型だかも、長くなりそうだ。

[見たもの] NGC1535とかパラスとか

最近書くのをサボっているが、その間にも いろいろ見たりしてはいる。
カストル(二重星)とかβMon(三重星)とか。

1時32分くらいに「クレオパトラの瞳星雲」を見た。
実際に見た惑星状星雲、ようやく第二号。

光度 10.0等
視直径  0.7'
赤経 04h14m15.3s
赤緯 -12゜44'26" (J2000)

例によってなかなか適切な方向に向けられなかった。
リゲルからエリダヌス座の方向に、幾分明るめな星をいくつか辿る。

7x50ファインダーではあまり暗い星は見えず、45倍の視野はずっと狭く。
ナビゲーターの視野枠を7度に広げ、極限等級を6等にリセットし、表示を 倒立像にしてファインダーに合わせたり、視野枠を1.5度に狭め、極限等級を 10等に変え、表示を裏返しにして天頂ミラー併用の主鏡に合わせたり、 を何度も繰り返す。
カメラ回転機構を活用して、接眼部を脇にどけてファインダーに目を 当てやすくしたり、元に戻して覗きやすくしたり。

ようやく主鏡の視野に入った。
目を凝らすと見えないのは土星状星雲同様。もう少し見づらく、形も辛うじて丸っこい、くらいしか分からない。 ただし、180倍で幾分か見やすく感じた。光害の強い場所では、 やはり輝度がものをいうようだ

仮眠して、3時半くらいからまた望遠鏡にしがみつく。
あれこれ見てから、ふと思いついてパラスに向ける。
既に夜が開けかけた5時半近くにようやく「見えた。」

[見たもの] 太陽

望遠鏡を太陽に向けたのは30年以上前だ。
また 古い望遠鏡の店より、ツァイスサイズの中古サンプリズム を購入していた。税込みで3,278円、それに 郵送で+330円、合計3,608円。
郵送に3日かかり、不在連絡が昨日。

慎重にサングラスとサンプリズムを装着し、 主鏡のフタから絞りフタ(フタは樹脂だったが その鋳物であった)を取り外し、 ファインダーを太陽に向け、適当な板切れ に投影して、そちらを見ながら方向を 調整。「うっかり」覗かないように 注意しながら。

もう少し試行錯誤があったが、省略。
ともかく、あまり眩しくない 太陽と、比較的大きな黒点(半鞍部あり) をチラ見して、実験終了とする。

ほぼ南中した月がようやく見えた。
双眼鏡で、「出ているはずの場所」を 確認した後にようやく、月齢3.7の月が裸眼で見えた。

これまた30年以上放置していたEr32 をD型に装着してみた。
像はわりとシャープに思えたが アイレリーフがかなり短いことも手伝って、 全体を一望することができない。

31倍、視野2度前後で、さて常用する気に なるかどうか。

[見たもの] 三日月と3 Sgr

三日月が低くなっていたのでD型で眺めていた。
200倍は流石に過剰倍率だったが、思ったほど眠くも、暗くもなかった。

地球照を浴びてよく見える暗部に、針で突いたような いて座3番星が迫っていることに 気づく。天ガにも星ナビにも載ってはいたが、カレンダーに 一行だけで、次の満月の天王星食のような扱いではなかった。

残念なことに、星食は見れなかった。
しばらく見ているうちに雲が伸びてきてほとんど 隠してしまい、暗縁潜入からかなり経った頃まで どいてくれなかったから。
高度から見て、出現より月没の方が先になると思えた。

諦めて撤収しようかと思った頃に、月だけがまた見えてきた。
肉眼、5x25mmファインダー、主鏡(40倍)で、クレーターや海、山脈の見える 気流で縁がギザギザになった黄色っぽい三日月が、遠くに沈む様子を ずっと眺めていた。
19時33分11秒のときに一旦建物の陰に隠れて、その横からまた出てきた。
19時41分12秒のときに、バナナのような三日月が、すっかり消えた。


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