いや、D型の話は実に熱い。寝食を忘れそうだ。
サードパーティに赤道儀のオーバーホールについて 聞いてみた。見積もりは税込み33,000円(送料別)とのことであった。
D型一式の、発売当初のお値段は
58,000円+送料2,400円であったらしいが、
時によっては
108,000円という情報もあった。
自分が確認した広告(一度値上がりしていた)の最後(天ガ1981年12月)には、149,500円
(送料別途のはず)とあった。一覧表に型番と値段が載っていただけであった。
確認すると、自分が「天ガ」を買い始めた1980年半ばの時点で、D型は「天ガ」の
広告には「ごくまれに」出てくるだけになっていた(V-1、P-2が常連)。
既に入門機V-1、ポータブル3枚玉のP2に押し流されてしまった観がある。
しかもその後、タカハシの屈折はフローライトF8シリーズに切り替わっている。
65mmのラインナップはFC-65+P-2/Skyキャンサー赤道儀になり、
そして下位機種のFC-50(卓上経緯台一式、今となってはとても魅力的だ)
も出てきたから、D型は広告から消えるのと前後して(あるいは、もっと
ずっと前に)生産も
打ち切られたのではないだろうか。
1981年の総合カタログにもD型は載っていた。これには
フローライト90mmが載ってないが。
それでも1970年の発売以降、10年くらい売り続けていたわけだ(事実上「在庫限り」
の時期がどのくらい長かったのか気になるが)。
フローライト以前の、セミアポを称した3枚玉でF15.3の長焦点(木箱つき)、
頑丈な名無しの専用赤道儀(鏡筒バンドは交換できない)、
それに長い伸縮式木製三脚。
一時代前の高級小口径屈折赤道儀。オーソドックスの恐竜、
といったところか。
末期に買った人は、FC-65を待てなかったこと、P-2を選ばなかったこと
V-1でも十分だったこと等々を後悔したかもしれない。
1977年のカタログには、「システム改造型赤道儀付」なる望遠鏡セットが載っていた。
それ以降鏡筒バンドが変えられるようになったのかもしれない。
フローライトでない80mmアポ/セミアポとか、それを乗せた、 ウェイトシャフトがネジになった赤道儀(たぶん、タカハシでは唯一)とか も追っかけると面白そうだ。
100mm反射赤道儀1型だかI型だかも、長くなりそうだ。
最近書くのをサボっているが、その間にも
いろいろ見たりしてはいる。
カストル(二重星)とかβMon(三重星)とか。
1時32分くらいに「クレオパトラの瞳星雲」を見た。
実際に見た惑星状星雲、ようやく第二号。
光度 10.0等 視直径 0.7' 赤経 04h14m15.3s 赤緯 -12゜44'26" (J2000)
例によってなかなか適切な方向に向けられなかった。
リゲルからエリダヌス座の方向に、幾分明るめな星をいくつか辿る。
7x50ファインダーではあまり暗い星は見えず、45倍の視野はずっと狭く。
ナビゲーターの視野枠を7度に広げ、極限等級を6等にリセットし、表示を
倒立像にしてファインダーに合わせたり、視野枠を1.5度に狭め、極限等級を
10等に変え、表示を裏返しにして天頂ミラー併用の主鏡に合わせたり、
を何度も繰り返す。
カメラ回転機構を活用して、接眼部を脇にどけてファインダーに目を
当てやすくしたり、元に戻して覗きやすくしたり。
ようやく主鏡の視野に入った。
目を凝らすと見えないのは土星状星雲同様。もう少し見づらく、形も辛うじて丸っこい、くらいしか分からない。
ただし、180倍で幾分か見やすく感じた。光害の強い場所では、
やはり輝度がものをいうようだ
仮眠して、3時半くらいからまた望遠鏡にしがみつく。
あれこれ見てから、ふと思いついてパラスに向ける。
既に夜が開けかけた5時半近くにようやく「見えた。」
望遠鏡を太陽に向けたのは30年以上前だ。
また
古い望遠鏡の店より、ツァイスサイズの中古サンプリズム
を購入していた。税込みで3,278円、それに
郵送で+330円、合計3,608円。
郵送に3日かかり、不在連絡が昨日。
慎重にサングラスとサンプリズムを装着し、 主鏡のフタから絞りフタ(フタは樹脂だったが その鋳物であった)を取り外し、 ファインダーを太陽に向け、適当な板切れ に投影して、そちらを見ながら方向を 調整。「うっかり」覗かないように 注意しながら。
もう少し試行錯誤があったが、省略。
ともかく、あまり眩しくない
太陽と、比較的大きな黒点(半鞍部あり)
をチラ見して、実験終了とする。
ほぼ南中した月がようやく見えた。
双眼鏡で、「出ているはずの場所」を
確認した後にようやく、月齢3.7の月が裸眼で見えた。
これまた30年以上放置していたEr32
をD型に装着してみた。
像はわりとシャープに思えたが
アイレリーフがかなり短いことも手伝って、
全体を一望することができない。
31倍、視野2度前後で、さて常用する気に なるかどうか。
三日月が低くなっていたのでD型で眺めていた。
200倍は流石に過剰倍率だったが、思ったほど眠くも、暗くもなかった。
地球照を浴びてよく見える暗部に、針で突いたような いて座3番星が迫っていることに 気づく。天ガにも星ナビにも載ってはいたが、カレンダーに 一行だけで、次の満月の天王星食のような扱いではなかった。
残念なことに、星食は見れなかった。
しばらく見ているうちに雲が伸びてきてほとんど
隠してしまい、暗縁潜入からかなり経った頃まで
どいてくれなかったから。
高度から見て、出現より月没の方が先になると思えた。
諦めて撤収しようかと思った頃に、月だけがまた見えてきた。
肉眼、5x25mmファインダー、主鏡(40倍)で、クレーターや海、山脈の見える
気流で縁がギザギザになった黄色っぽい三日月が、遠くに沈む様子を
ずっと眺めていた。
19時33分11秒のときに一旦建物の陰に隠れて、その横からまた出てきた。
19時41分12秒のときに、バナナのような三日月が、すっかり消えた。
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