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ずくぶろく


2013-06-29(Sat) 昨日よりは晴れて、下限の月が雲間に見えた朝

[行ったとこ] 府立図書館

バス2本と、近鉄と繋がった地下鉄1本を乗り継ぐ。
相互乗り入れ駅に入った途端、料金が倍になった。
辺りには、さほど古くない、大きな建物がいっぱい立ち並んでいた。
うん年前に立ち寄った、駐車場つきのうどんや(だったっけか)は 既に死んでいて、建物だけがどっかの管理物件となっていた。

流石に市立よりずっと大きいことを、マイナーな本をいっぱい 含んで並んだ開架書庫を見て、実感。

ちょっと加筆。
開館直後に入館する。
こども資料室で午前を潰した後、 1階の曲がった通路奥に、控えめに(Good!)設置された食堂で軽く昼食。
既に閑散としていたが、ピザが出てくるまで、いくらか待たされた。
4、3階にも立ち寄り、適当に拾い読みして15時頃に出た。

[読んだ本] 日本の名作どうわ 一年生

こども資料室にて。ここにはe-mobileの電波は通らない模様。
よってオフラインで書いた。

前の本について考えたり書いたりしているうちに、 なんとなく読み返したくなった。
府立図書館にあることが分かったので、読む手段を 色々考えたが、現物を行動範囲の図書館に融通してもらう 手続きに手も頭も使う気にならず、休日に現場に飛んでゆくこととなった。

一旦全部読み直す。
収録された24の掌編は、それぞれ違う作者(島崎藤村から浜田廣介まで)だった。
編者のひとり(坪田譲治)の作品もあった。
何編かは題名も内容も登場人物も覚えていた。
いずれも覚えていないものもあった。
作者名はあまり覚えていない。覚えていても間違っていたりする。

自分が過去に読んだ版(もちろん、手元には既にない)は、 姉が持っていた本のはずで、おそらく1960年代半ばの刊行と思われた。

今、手に取った本は、1989年9月改装版と書かれている。
装丁はビニールで保護されていないが、汚れも傷みもほとんどない。
言い換えれば、読者の手に取られることが、あまりなかった本のように見える。
前年にも改訂されているらしい。記憶と照らし合わせて 表記が細かく変わっているように思えた箇所もいくつか。

「先生や、ご両親の皆様へ」というタイトルのついた奥付について。
数字以外の漢字すべてにルビが振ってあった。
漢字が読めないかもしれない読者にも、 ちょっとは見てほしかったに違いない。

奥付には、作品毎の寸評と、作者ひとりひとりについての略歴も 載っていた。それによると、改訂当時には16人が故人となっていた模様。 物故年の末尾は「昭和五十五年没」の川崎大治だった。
ちなみに小川未明は別格らしく、 「昭和三十八年七十九才で没」と、享年まで書いてあるのは 彼だけだった。
学歴についても表記の揺れが見えたが、底意地の悪い考察は 省略する。

1989年当時の想定読者とはかなり隔たった世界のような気がするが、 その点は幼少時の自分も似たようなものかもしれない。
蒸気機関車の話(「きたから きた きしゃ」小出正吾作)とか、 「おふろば」に「おかあさんのくんでいった水が一ぱい」ある話がある (「おかあさんが しかられないように」いぬいとみこ作)が、 自分が物心ついた時点でSLは観光目的だけになっていたし、 水道も当たり前に存在していた。

[読んだ本] 英語と中国語の枕草子

もちろん、全部を読む時間も学力もない。冒頭の一部だけだ。
「春はあけぼの。夏は夜。秋は夕暮れ。冬はつとめて」は、 英語では以下の通りに翻訳されていた。

In spring it is the dawn that is most beautiful.
In summer the nights.
In autumn the evenings, when...
In winter the erary mornings.

中国語はこんな漢字、じゃなくて汉语。

春天黎明很美。
夏季夜色迷人。
秋光最是薄暮。
冬景尽在清晨。

以下出典。

"The Pillow book of Sei Shonagon"
Translated and edited by Ivan Morris
Translation Forms The Asian Classics
Columbia University Press Copyright 1991

"枕草子 图典"
译文 于雷 导读◇图解 叶渭渠
上海三联书店 2005,5

適当に検索したらひっかかったので、URLは張らないでおく。

以上、府立図書館4Fにて。「外国語」の「文学」のあたり。 各国語が一緒くたになっていた。
ぜんぜん読めない文字でも、赤と緑の二冊本が 村上春樹であることくらいは分かる。

[読んだ本] ハンムラビ「法典」(中田一郎, 1999年)

これも府立図書館での拾い読み。
訳者が書きたかったことは、多分頭に入ってない。

「法典」の内容は、制定した君主の徳を讃える長い前文 と、個別的、具体的事例に尽いての裁定、それに 法典制定の経緯らしい後文から成っている。らしい。

流石に大昔のデータだった。
「保存状態が悪く、ほとんど判読できない」 箇所もあったりする。

刑法的な条文には大体、死刑が多いが、財物による弁済規程もあった。
階級別、性別に規定が異なっている。
が、必ずしも有力者の肩を持ったり、搾取を旨とする内容では ないようだった。後文に、「強者が弱者を損うことがないために、 身寄りのない女児や寡婦に正義を回復するために」と訳された 文言があったりする。

概ね農業と商業に関わる民事的な規程には、契約遵守や、 責任の明確化が謳われていた。
借りた牛を殺したら、弁償せねばならないが、借主に帰すべきでない 原因で死んでしまったら、責任を問われないといった条文や、 農地の小作人が十分な収穫をあげられなくても、 本人が再度の小作を希望するなら、「耕地の所有者は反対すべきでなく、 むしろ彼の小作人が彼の耕地を耕作すべきである」という 条文もあった。

男児の(女児は不明)誘拐は死刑。窃盗には弁済規程があるが、強盗や 宗教設備からの窃盗は死刑。火事場泥棒も死刑、 生死に関わる事件の偽証も死刑。

配偶者以外との関係も死刑。ただし強制による場合などは無罪。
その他、女性に取って片務的な、そして止むを得ない場合への免責を 含んだ罰則規程がいくつか。
男性側の責任規程は、やや曖昧。

かくなる法規程と、施行の実状はどうであったかまでは、分らない。


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